「親知らず」とは、前歯の中央から数えて8本目の歯で、成人するころになってようやく生えてきます。もともとは他の歯と同じようにしっかり噛み合う歯でしたが、現代人の小さい顎ではスペースが足りず、ちゃんと噛み合わないどころか横向きに生えてきたり、歯茎に埋まったままだったりすることもある、トラブルが多い歯です。
特に曲がって生えている親知らずは虫歯になるリスクが高く、周囲の歯や歯茎に炎症を引き起こすおそれもあるため、抜歯するケースがほとんどです。
「親知らず=抜く歯」というイメージを持っている方もいらっしゃいますが、正しい向きで生えていて虫歯もない場合は、抜歯の必要はありません。健康な歯として残しておけば、将来他の歯を失った場合にブリッジや入れ歯を支える歯として、また、歯を失った場所への移植などに利用することもできます。
「顎が痛い」「なんだか顎がガクガクする」という症状があったら、顎関節症の可能性も考えられます。
まずはセルフチェックをしてみましょう。以下の項目にひとつでも当てはまるようでしたら、当院にご相談ください。顎関節症は早期発見、早期治療が大切です。
顎関節症になると、顎の関節やその周りの筋肉などに、「痛み」「雑音」「開閉障害」などの症状があらわれます。原因としては、噛み合わせの癖や姿勢の悪さ、ストレスなどがあげられます。次のような癖が顎関節症を引きおこすことがありますので、注意しましょう。
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- ものを噛むとき、片方の顎ばかり使う
- 食いしばり、歯ぎしりをする
- 硬いものばかり食べている
- 柔らかすぎるものばかり食べている
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- 手を使わすに顎と肩の間に受話器を挟んで電話をしている
- テレビを見るなど、横を向いた姿勢で食事をしている
- 頬づえをついている時間が長い
- 舌で歯を押していることがある
人の身体は常に絶妙なバランスを保ちながら成り立っています。噛み合わせが悪くなると頭部のバランスが崩れ、それを補うために身体全体がバランスを取ろうとして、全身のさまざまな場所に負担がかかります。
その負担から知らず知らずのうちにストレスが溜まったり、神経や血管が圧迫されたりして、頭痛や肩こり、腰痛などの症状に発展することもあるのです。
顎関節症の治療法
飛翔会での顎関節治療は、観察とマウスピース療法が基本です。それでも改善しない場合は、症状に合わせた補綴治療を行います。
- 観察
- ご自宅で実践できるセルフケア方法を指導します。顎の関節や筋肉に負担をかけない生活を習慣を身につけ、「食いしばり」「歯ぎしり」などの軽減やストレスの発散、頬づえや噛み癖などを改善します。
- マウスピース療法
- シリコンで作製したマウスピースを使った治療です。マウスピースを装着して、顎の関節を正常な位置になるように導きます。顎の関節や筋肉への負担を軽減する効果があります。
- 補綴による治療
- 噛み合わせに影響する歯がある場合は、クラウンやブリッジ、詰め物を使用して歯の長さや横幅のバランスを調整します。